参考情報
研究会作成
初診でのオンライン診療を実施する際の処方可能な薬剤リスト(2025年4月07日)
当研究会では、現在の法律や通知、関係各所への聞き取りなどをもとに、
2024年12月27日、農林水産省から発出の
「愛玩動物におけるオンライン診療の適切な実施に関する指針」に規定の
初診時のオンライン診療の実施において制限される薬剤についてまとめました。
同指針では、初診でのオンライン診療を実施する場合、
以下の薬剤は処方不可としております。
・要指示医薬品
・未承認医薬品
・承認された医薬品における効能外処方
つまり、初診時のオンライン診療において処方できる薬剤は
要指示医薬品以外の動物用医薬品(効能内での使用に限る)
となります。
※なお、同指針において、「初診」とは以下の場合を指します。
・診療施設においてはじめて診察を行う場合
・継続的に診療している場合において、新たな症状等に対する診療を行う場合
・治療後、または長期間の治療中断後に、再度同一の疾患について診察する場合
※本リストはあくまでも同指針に基づいて作成したリストであり、
初診時のオンライン診療実施時において、当会が処方を推奨している薬剤リスト
ではないことにご留意ください。
※本リストの公開は会員の皆様限定とさせていただいております。
農林水産省「愛玩動物におけるオンライン診療の適切な実施に関する指針」についてのFAQまとめ(2025年3月10日作成)
日本獣医オンライン診療研究会では、現在の法律や通知、
関係各所への聞き取りなどをもとに、
2024年12月27日、農林水産省から発出の
「愛玩動物におけるオンライン診療の適切な実施に関する指針」に関して、
当会へよくいただく質問とその回答についてまとめました。
(一部の一般公開させていただいております。会員にご入会いただくことで、
すべてのFAQをご確認いただけます。)
※本FAQは、あくまでも当研究会の見解となります。
動物病院にてオンライン診療を導入する上のでご参考情報としてご活用ください。
※なお、指針の内容についてや、法律の解釈について、個別具体的な事例等に
についてのご質問は、管轄省庁である、
【農林水産省の消費・安全局畜水産安全管理課】までお願いします。
【オンライン診療動画】
獣医領域における、
2024年2月7日現在に可能なオンライン診療の内容を、
その具体的な流れをイメージしていただくために
作成した動画になります。
(約12分の診療を5分程度に編集しております。)
以下の先生方におススメです。
・日常の診療にどのようにオンライン診療を取り入れようか検討中の先生
・オンライン診療でどこまでできるのかを知りたい先生
概要
・皮膚科領域
・再診
・流れ
1.画像による事前把握
2.飼い主様からの直接の問診
3.現状評価
4.治療方針の決定と提案
5.次回予定設定
6.処方・会計
7.クロージング
協力:四季の森どうぶつクリニック
制作:日本獣医オンライン診療研究会
国内情報
・2024年12月27日、農林水産省より、
「愛玩動物におけるオンライン診療の適切な実施に関する指針」が発表されました。
2022年7月の(公社)日本獣医師会のガイドラインから約2年半、
ようやく愛玩動物のオンライン診療についての
国による正式な指針が出されることになりました。
国内のペットの獣医療において、オンライン診療活用の土台がこれで作られました。
ここをスタートとして、適正で安全なオンライン診療を実践する獣医師が増える
ことで、ペットとその飼い主様にとって、
より良い獣医療を受ける機会が増えることになります。
この指針において、初診でのオンライン診療は、原則「かかりつけ獣医師」が
行うこととあります。
一方、一定の条件下では、「かかりつけ獣医師」以外の獣医師による、
初診からのオンライン診療も可能とされており、
初診については、日本獣医師会の指針よりも条件が緩和された内容となっております。
内容の参考はこちらをご確認ください。
原本はこちら
当研究会としても引き続き事例や情報の収集、共有に努めてまいります。
また、この指針を基にした、【認証制度】の構築を進めて参りたいと考えております。
・2022年7月1日、公益社団法人日本獣医師会より、
「愛玩動物における遠隔診療の適切な実施に関する指針」が発行されました。
本指針の作成に当研究会も協力をさせていただきました。
獣医師法や現在までに農林水産省等より発出されている通知等の関係法規等を根拠に、初診でのオンライン診療の運用指針の記載もされており、この指針によって獣医師としてより安心して適正なオンライン診療の提供がしやすくなることを期待しております。
これでガイドライン作成は終わりではなく、
ここからがスタート地点と考え、これを基に多くの先生方が少しずつオンライン診療の活用について検討し、実施することで、課題や追加・修正点が見つかり、よりよい指針に改訂されていくことを期待しつつ、ヒト医療と同様に、早く国としての正式な見解やガイドラインの発表がされることを願っております。
当研究会としても引き続き事例や情報の収集、共有に努めてまいります。
内容の参考はこちらをご確認ください。
原本はこちら
・2021年12月 農林水産省から、「家畜における遠隔診療の積極的な活用について」という農林水産省消費・安全局長通知が発出されました。
その中には、「初診から遠隔診療が可能」であることの
明示がされております。
・2021年6月18日に閣議決定された規制改革実施計画にて、「魚病対策に関する遠隔診療と同様に、家畜の遠隔診療を初診から行うことができることを明確化するべきである。」とのことが記載され、その措置時期を令和3年とされました。
・2021年3月 農林水産省から、迅速かつ適正な遠隔診療の積極的な活用を促す「魚病の予防及びまん延防止における遠隔診療の積極的な活用について」(局長通知)と「魚病対策の的確な実施に向けた取組等について」(局長通知)が発出されました。
その中には、「初診から遠隔診療が可能」であることの明示がされております。
・2020年4月14日 公益社団法人 日本獣医師会がオンライン診療に関しての事務連絡を発出しております。
海外情報
・AVMA(米国獣医師会)、AAHA(米国動物病院協会)の
オンライン診療に対する見解の参考資料(2018年時点)
2018年、AVMAとAAHAの共同で動物病院向けの「The Real-Life Rewards of Virtual Care」という小冊子が作成されました。動物病院が、遠隔医療に対応したオンライン診療を行うためのガイドブックになっています。
内容の大半はAVMAのTelehealth Resource Center(獣医師とそのチームに有用な情報を提供する目的で設立された)によるものです。 AVMAのWebサイト(avma.org/telehealth)をご参照ください。
・RCVS(イギリス王立獣医協会)のオンライン診療に対する
見解の参考資料(2018年時点)
イギリス王立獣医協会(RCVS)は、獣医臨床診療における遠隔医療(telemedicine)の使用に関する、獣医、動物看護師、動物の飼い主、およびステークホルダーの意見を集めるために2017年の2月13日から3月24日の期間に協議を開催しました。
この協議では、遠隔医療に潜むリスクや、臨床医および公共の両方のニーズへの対処に役立つ可能性のある遠隔医療の在り方を特定し、遠隔医療に関する新たな専門的基準とガイダンス策定をサポートすることを目指しました。
その後、2018年3月、RCVS review of the use of telemedicine within veterinary practiceを発表しました。
論文情報
・獣医師のテレヘルスに関する知識と使用状況の調査
2019年のアメリカにおける、獣医師のテレヘルスに対する意識調査の論文です。
日本ではまだ、ペットのオンライン診療に関しての議論が本格化しておりませんが、今後同じような意識調査が必要だと考えております。海外の事例を参考に、わが国ではどのような形が望ましいのか考える手助けになると思っております。